おくおとこ


今回は邦画を見に行ってきました。(あれ、銀魂は邦画では?(笑))
タイトルは「億男」。大友啓史監督作品です。るろ剣とか。
本屋で原作小説が発売された頃から気になっていたタイトルだったんですが
なかなか目を通す機会がなく(苦笑)、小説を読む前に映像化されたので
これ幸いとどんなお話しなのか見に行ってみた次第です(苦笑)
てか、文庫の表紙オビに「佐藤健・高橋一生主演で映画化決定」って書かれてたら
うおお見に行くわ!ってなるでしょこのキャスト(笑)なんてワタシ好み(笑)
というわけで以下ネタバレ感想ぅぅ~













「くもりなき(?)まなこで お金の使い方を探しに行く物語」
ひと言で表現するならこれでしょうか。もののけ姫かって(笑)
いや、なんかそんな感じだったんですよね。お金をどう使うか、見極めにいくお話と言うか。

借金生活中だった冴えない男性、一男(カズオ)が宝くじでいきなり3億円もの大金を手にしてしまって、
その金を学生時代の親友、九十九(ツクモ)に持ち逃げされてしまう、というストーリーなんですけど、
出だしはいきなり派手派手なパーティ会場ではっちゃけるシーンから始まりました。
高層マンションのオシャレなワンフロアにミラーボールくるくるのアゲアゲでド派手なギラギラした空間、
シャンパンタワーはもちろん、ポールダンスとか金銭ばらまき(!)とかで、ウェイ系の集まりこええってなるくらいで(笑)
(公式サイトによるとこのシーンでばらまいたお金、本物の万札を数百枚使ったそうで……!ひええ)
いきなりだったもんで、うええこの映画どうなるの、大丈夫なのかなってちょっとハラハラしかかったんですけど
そのパーティの最中にツクモがお金を持ちだしたカットが挟まれて、
ここからカズオがツクモを探すアレコレが始まるという。
強く印象づけられる出だしでした。

カズオはもともと妻子持ちなんだけど借金生活(連帯保証人コワイよねえ……)になってからは
別居した妻から離婚届を突きだされている状態。
対してツクモは学生時代にITベンチャー企業を起こしてヒットし、若くして億万長者。
カズオは突如手にしたお金の使い道に困って、10年ぶりにツクモを頼った、ということだったんですが。
肝心のツクモが行方知れずになったもんだから、カズオはツクモのことを知ってそうな人に
次々とすがっていくんですが……
出てくる人々みんなキャラが濃ゆい濃ゆい(笑)
金持ち男性にすり寄るセレブ女子、人生と金を競馬に注ぎこむ元敏腕プログラマー、
いかがわしいマネーセミナーで金をむしりとる怪しい教祖、質素に10億ため込んでいる元企業秘書。
みんなそれぞれに「お金」に対する価値観やスタンスが違ってて、
それを目の当りにしたカズオがぶんぶん振り回されていく様子が真に迫って描かれていきました(苦笑)

いやー、それがまたすごかったんですよ、元プログラマーは競馬で人生語るし(でも金はちょー持ってる)
マネーセミナー教祖は派手な照明と根拠のない煽り文句で場内をイベントのように盛り上げながら
「金なんて紙きれだー」って叫んで来場者に自前のお札をビリビリ破らせるパフォーマンス。
でもちぎられたお金は終了後に拾いあつめて自分のものにしてる、っていうね(爆)
(黙々と修復作業してる職員?が居たけどその人の立ち位置も気になる)
元秘書は大金や金持ち男にさんざん振り回されて疲れたから地味な主婦やってるのかと思いきや、
部屋中に万札貯めこんでニヤニヤ笑っている、っていうね。
すごい(笑)どれも極端な、でもあり得るお金の振り回され方やってて、どのキャラも目に眩しかったです(笑)
(競馬人は特殊メイクした北村一輝だったんだけど全然わかんなくて、
エセ教祖はなんと藤原竜也!根拠のない自信あふれる声の張り上げ方してたのが「あり得る」キャラづけしてて、
本当に藤原竜也は巧いなあと感心……。)
なんか、でもどのキャラもツクモと一緒に会社やってた時はもうちょっとマシな?、
ツクモと協力して会社を大きくしていった若き日々があったらしいんだけど。
そして皆一様に、ツクモは連絡とってない、あいつとは顔を合わせていない、とつれない返事。
いったいツクモはどこへ消えたのか。
(どうでもいいけどツクモの友達と言うだけでアポなしで会ってくれるこの人たちは結構ガードゆるいと思った(笑))

だけど見ながら不思議に思ったんだけど、劇中カズオはずっと
「お金は戻ってくる、後で戻るから」って繰り返し言うんですよ。
見てるこっちは根拠もないのにやみくもにそう言いたいだけに思えて、
カズオ大丈夫か?って思ったりしたんだけど。
答えはその後の回想シーンにありました。

それは学生時代、なんとなく2人で行ったモロッコ旅行。
本当にモロッコにロケしてたんですけど、モロッカンストリートでショッピングからはじまり、
裏通りを抜けてディープな町中に入り込んだり、道なき道をバスに揺られながら田舎町を眺めたと思うと
ラクダに乗って砂漠を通る1泊?ツアーまで。がっつり。
見ているこちらも印象的なロケーションで、砂漠の中で2人風に吹かれながらたたずむシルエットが
とても絵になっていて、なんだかカズオとツクモではなく、たけるくんと高橋くんがプライベートで
2人旅をしているかのような画面にも思えて、現実と虚構が混じり合った特徴的なシーンになってました。
(セリフなのか素の言葉なのか分からないような自然な言葉遣いで町中を眺めてたり、
ショッピングをしながら笑いあう2人はもう役を超えていたような……。
EDにもたくさんモロッコロケの映像が使われてて、撮影した素材無駄なく使うぜ的なカントクさんの
意気込みを感じました(笑))

そのモロッコ旅行でツクモは起業を計画して「僕はお金の正体をつきとめたい」と。
カズオはその時のツクモがとても印象に残ってたんだと思います。
お金の正体を突き止めたい、僕は僕だ、と淀みなく宣言したツクモが、お金を持ち逃げするはずがない、と。
この2人にしか分からない通じ合うものがあったんだなあと見てるこちらにも伝わってきました。
そう、カズオとツクモは実は落研の同期でね。ツクモが大学で単独公演できるくらいのエース級でして、
カズオと合わせて百点コンビ、と称されてたんですね。イチたす九十九。
そのツクモがモロッコの砂漠でカズオ1人だけに向き合って落語を披露したシーンがありました。
どうやらガチで高橋さんが落語「芝浜」を特訓して本当に20分みっちり喋ったそうなんだけど、
これもとても印象的な映像になってて、とてもゼイタクな空間だなあと感じられて
たけるくんも涙をうっすら浮かべていたのが強く心に残りました。あれは良かったなあ。
(ただどんな内容の落語なのかが分からなくて後で調べたんですが、拾った大金にまつわる昔落語だったようで、
これも本編に絡んだものだったようです。知ってたらニヤリ、という扱いだったようですが
正直本編中でも「芝浜」について説明が欲しかったかなー)
物語が進むにつれてお金の使い方とともにカズオとツクモの友情も語られる面白い構成でした。

そうそう、カズオ演じるたけるんこと佐藤健くん、もう30才になるらしいんだけど(電王……)
借金苦にやつれた既婚男性、というのを違和感なく演じられてて、
もうたけるんもオトナの役者さんなんだなあ……という謎の感慨におそわれました(苦笑)
そしてツクモ役高橋一生さんは前髪ぼさぼさのパーマ頭で、髪の毛の隙間から上目遣いに相手を見るような、
クセのある いかにもベンチャーで成功しました的な、若いお金持ちの雰囲気を出しているのが
興味深かったです。吃音の演技がすごく上手かった!よく観察されてる。
実はこの2人、初共演だそうで(!)個人的に両者とも好き役者さんで
演技力には万全の信頼をもっているお2方なので、その2人自体をタンノウできました(笑)

そういやちょっと気になったところだけど、お金を扱う作品だから
劇中に出てくるお金に関係する事柄にはいろいろ敏感になってほしかったかなーっていうのがありました。
お金持って無さそうなカズオがどうやってタクシー代を払ったのか(苦笑)
あと喫茶店のお茶代とか手土産代とかヨレヨレの衣服費とか……。
それからやむを得ない事情なんだろうけど別居して2世帯で暮らしてると生活費が倍かかって
余計借金返しにくくなるんじゃなかろうか……。個人的にそういう、設定上些末なところが気になりました(苦笑)
その辺の説明がちらっとでも欲しかったかなあ。原作小説でフォローされてるだろうか。

ツクモを探してがむしゃらに駆けるカズオだけど、自ら振り返って何を思ったのか。
ツクモは見つかるのか。お金が戻ってきたならカズオはどう使うのか。
見ながらワタシは価値観の押しつけになるのかなあとある程度の結末を想定してたんですけど
あーそうきたかという感じとえっそうなのという感じとがせめぎあう結末だったので
見た人それぞれに捉え方が異なる作品になるんだろうなあと感じました。
ホラ、題材がお金だから。作中でも言ってたけど使う人ごとに使い方が違うんで。
この映画は見た人によっては不愉快になる内容かもしれません。ワタシは万人にはオススメしたくない。
でもとても印象に残る映画でした。モロッコロケの映像は特筆もの。見て良かったです(^-^)

あっ、そうだ最後にひとつだけ、佐藤健と高橋一生のしっぽり砂漠旅行が見たい人にはオススメしとこう!
モロッコ撮影だけのドキュメンタリーが欲しいです(笑)そんなところで(笑)



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by katuhiro-iyama | 2018-11-04 00:14 | 映画話 | Trackback | Comments(0)
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