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「立喰師列伝」

押井守監督作品「立喰師列伝」を観に行ったです。
公開2週間しかないうえに1日に昼とレイトショーの2回上映のみ…間に合ってヨカッタ(笑)







ええと、内容としては立喰師という架空の食い逃げ犯たちをクローズアップしながら
食べ物と犬へのアコガレを表現した作品というカンジなんですが(笑)、
ジャンルとしては一応、アニメーションということになるんでしょうが…
なんともフシギな映像になってまして、そこが見所でした。

あの、人間の半身だけを描いたぺらぺらの紙人形がありますよね、
表情が違う紙人形を裏表くっつけて棒に貼ってくるりとひっくり返すと動いているような、
即席人形劇みたいなことができますよね。
あれを「実物の人間」を使って「アニメーションにしてる」とです(爆笑)

なんか、特殊な撮影とCGを使ってるとのことで、
人間の顔や体型に立体感がないんです(笑)
で、可動部分を厚みの無いぺらぺらの紙状態になるような処理を施して、
まるで人間の顔をリアルに印刷した紙人形を1コマ1コマ動かしてアニメにしてる、
っていうような映像なんです(笑)…この説明で分かるかな…(笑)

しかも登場してる人間たちがいわゆる「ギョーカイジン」ってやつで(笑)、
アニメマンガ小説問わず、モデラーとか声優とかマンガ家とか編集者とか(笑)、
押井守監督周辺のいろんな身内が顔出ししとるわけです(爆笑)
局所的に名の売れた業界関係者たちが紙人形状態になって
くるくるぎこちなく動いてるわけです。なんつー扱いをするんだ(爆笑)
(だってジブリの鈴木敏夫ブロデューサーとかマクロスの河森さんとかが
首や手足だけをぺらぺらにしてくるくるひらひらしてるわけだよーすごいよこりゃ)
ただ、全編ほぼモノクロ映像で特殊加工ばりばりな世界なので
ぱっと見てもどれが誰やら、どこのオッサンですか?という大変失礼な第一印象を
植えつけられるわけですが(爆笑)やりゃあがったな!(笑)

この業界人たちをへらへら眺めるだけでも充分視聴価値がありますが
さらにこの映画のスゴイところは、通称「押井節」とも言われる
コトバのレトリックが視聴者を翻弄させるところです。
開始から上映時間100分ちょっと、ずーーーっと、論文調のナレーションが
学術的な熟語文語体を駆使してずらずらとコトバを並べまくしたてる。
それは単調ながらリズムにのって耳に心地よく届き、途中退屈すら感じます(笑)が、
なんといてもナレーターの山寺宏一さんのお声が素晴らしい!!(絶賛)のに加えて
作中の登場人物のほとんどの声を代弁しているので
9役にて出演、というトンでもないことになっとるのがこりゃまたスゴイ(笑)
(昔、彼が出したGAPシステムというCDがあってのう…(懐古))
この作品山寺さんの独壇場といっても過言じゃないと思う(^0^)山ちゃんFAN必見!

日本の戦後の歴史になぞって立喰師たちを列挙してたんで
意外に説得力があり(笑)、でも映像の随所に遊びゴコロが感じられて
押井カントク楽しんで作ったなーとニヤニヤしながら見られる作品でした☆
あ、もちろん犬もしっかりバッチリ出てきます。ご心配なく(笑)

個人的には映像に懲りすぎた部分があってちょっと見づらい絵面になってたなーとも
思ったけど、なかなか興味深く、おもろかったっす(^-^)
話のタネにはなった(笑)
by katuhiro-iyama | 2006-04-27 00:31 | 映画話 | Trackback | Comments(0)


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